犯人を擦りつける探偵ドラマ:犯人デカ
推理ものとは、問題と解答のドラマである。
その要諦は、問題作成者(犯人)が難解な方程式を投げ掛け、対し、解答者(主人公)が知恵の限りを尽くして解を導き出すという構図にある。
この構図をシリーズとして適用するためには、犯人と被害者の大量生産が求められる。主人公が出向くところ絶えず殺人事件あり、という摩訶不思議な現象を容認せねばならないのだ。主人公は常にその両肩に死神を随え、稀代の大量殺人者として君臨するという運命を強いられる。これは一種の“呪い”である。類稀なる推理力の見返りとしては余りに重い。一方で、この物語の主人公だが、彼の眼前にも死屍累々が築き上げられる。
しかし、先達と一線を画すのは、彼は主人公でありながら同時に犯人でもあるのだ。
彼は推理を行わない。その代わり詭弁を弄する。
その詭弁により、居合わせた“無辜(むこ)の”民に罪をなすりつけていく。これは名探偵による推理ドラマではなく、あくまで殺人探偵によるブラックコメディーなのである。
という一見するとメチャクチャなドラマを大杉漣主演で深夜やっている。
メチャクチャながら、非常に引き込まれる脚本と演出、そして大杉漣の演技でとにもかくにも面白い。
こういったドラマを見ると、まだまだいいディレクターって育っているんだなあと。ちょっと安心します。
加えて、提供している日産は、番組の中にまで入り込んで、主演である大杉漣にCMさせているという徹底した提供ぶり。フジの深夜の日産提供枠は、ニューデザインパラダイスにしても、非常に番組の中に入り込んだCM展開をしていて、それもまたなかなか面白い。
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