周囲に振り回されっぱなしの蒸気少年の物語 スチームボーイ(STEAMBOY)

早くもあまり芳しくない評判が立っているスチームボーイ(STEAMBOY)ですが、とりあえず見てみました。まずは主要キャラクターに対しての感想。

  1. 革新的で科学の発展のためには技術を戦争の道具にすることも厭わない、事故の後ちょっと気がふれてしまった父親エディ。
  2. 保守的で科学は人々の平和のために使うべきだと頑なに主張し、徹底的に自分の息子の邪魔をする頑固な祖父ロイド。
  3. 上の二人のライバルで、最初は良い顔しつつ、結局は技術を戦争の道具にしようとする腹黒い技術者ロバート。
  4. ロバートの右腕の技術者で、最初は良い顔をしつつ、結局エディとロイドの発明したスチームボーイをネコババしようとする、技術者の片隅にもおけない腹黒い技術者デイビッド。
  5. 財団会長の孫娘で、最初から最後まで自己中なお嬢様スカーレット。
  6. そして、その5人に翻弄され、振り回されっぱなしの可哀想な主人公レイ。

キャラクターの主張はどれも微妙すぎて、共感できないし、魅力が感じられないしで、ストーリーをダメにしてしまっている感じでした。(あえていうと、父親エディのキャラが一番良かった)
その中でも祖父ロイドの主張が一応正しいものして焦点が当たっている感じなんだけど、邪魔ばかりするただの頑固ジジイというイメージが強く、うざいキャラに成り下がってしまって、ストーリーはさらにぼやけてしまっている。
それに蒸気機関を非常に高度な最高の最先端エネルギーとして扱っているため、その後に出てくる電力、石油、原子力といったエネルギーを知っているだけに、ちょっと冷めた視点で見てしまうところもあって、個人的にあまり盛り上がれなかった。蒸気の表現をしたかったから、蒸気機関をテーマに持ってきたんだろうけど、やはりちょっと失敗だったかも・・・

そんなわけで、そこは大友克洋だし、映像表現が良ければそれで良いんだけど、蒸気の表現も今更感があって、良かったには良かったけど、いまいち盛り上がれず・・・やはり10年も制作に掛かった弊害は大きかったなあと改めて実感。これが数年前に公開されてれば、まだすごいと思ったかもしれないけど、イノセンスとかアップルシードとかさまざまなCGを駆使したアニメが今年公開されてしまっていることもあって、どうしてもそれらの映画と比べてしまい、色あせてしまう。

まあ・・・良かったところと言えば、イギリスの緻密な描画は、さすがにすごい。全体的にもこういった細かな描画の完成度はさすが、思わず見とれるほど素晴らしかった。ひとつひとつの絵の完成度はやっぱり高いんだよな。

レイ役の鈴木杏、スカーレット役の小西真奈美といった声優は、まあ決して良かったわけでもないけど、不可でもなかった感じか。祖父ロイドの声が、滑舌が悪くはっきりしてなくて、聞き取りづらかったのは、年寄りという役柄設定のためか、ただ下手だったのかは、いまいち分からず・・・・

アキラを見たときの感動と比べると、その感想は、やはり遥かに劣ってしまう。
そんなわけで、決して面白くないと言うわけではなかったけど、微妙な映画でした。

ちなみに、これもまた早くも次回作決定か。
映画「スチームボーイ」初日、早くも次回作決定!
最初に10年もかけてるわりには、次回作はあっさりでるんだな・・・・。まあ、それほど見たいとは思わないな。

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